死が二人を分かつまで
綾瀬たかし
【死が二人を分かつまで】
死が二人を分かつまでに、あとどれくらい
私はあなたを愛することだろう。
かけがえのない時を刻みゆく中で
限りあるこの命を削りながら
語り合い
見つめ合い
慰め合い
接吻を交わし合い
私はあなたを愛することだろう。
目に見えぬその心を
手のひらから伝わるぬくもりの中に感じて、
囁くようなその声に
安らかな眠りにも似た穏やかさに包まれて、
あなたの愛を信じながら
私はあなたを愛することだろう。
運命が残酷にもこの命を奪ったとしても
予期せぬ不幸があなたを連れ去っても
私はあなたを想い
あなたの愛を胸に
私はあなたを愛することだろう。
産まれてきたこと
出逢ったこと
それらのすべてが偶然だったとしても
生きてきたこと
生きてゆくこと
そのすべてが過ちだとしても
何ひとつ否定することなく
私はあなたを愛することだろう。
死が二人を分かつまでは。