Un réaliste (3月25日生活分)
salco

炬燵の常夏で猫は寝ている
ここ2、3日の寒の戻りに私の厚着より彼女は薄着だ
居間の空気は停滞している
日当たりも悪いし仏壇まであってモルグのように寒い
私はそこで幽霊のように座りキーボードを叩くのだが、
パソコンの記憶域もずびぃーんと停滞している
恐らくNECの社長がマイアミで日光浴中なのだと思われる
インターネットなんか始めるんじゃなかったね、お客さん(by BIGLOBE)
その世界ほど下らないものはない(by KDDI)
砂利の詰まった空疎と言う外ない(by 空の雲)
私の内臓より若干マシな程度だ(by 世田谷区役所 戸籍課)

3月というのに仏壇の花も陰気くさい
日比谷花壇の花ならこんなに屈折しなくて済むのにかわいそうなことだ
貧民に買われる切り花というのは悲惨な末路を辿るものだとつくづく思う
ただ、長押の上に架けた両親の遺影は違って見え
以前は水と油、うさぎとかめ、犬と猿のように思われた夫妻だが最近、
並んでいるのを仰ぐと結構お似合いなのがヒジョーに不思議である
遺影というのは可塑化 または進歩するらしい

静物は譲歩する 限りなく
なこたセザンヌが証明済だ


自由詩 Un réaliste (3月25日生活分) Copyright salco 2010-03-27 01:45:39
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