Something
寒雪



月も隠れて
通りは闇に閉ざされる
一人歩く僕
足音が僕の耳を刺す
こんなことになるなんて
何を間違えたんだろう
コートの襟を立て
つらぬく木枯しを
じっと堪える


何かしようと思って動いてみた
何かしようと思っただけで
体は僕を裏切った
何がおかしいんだろう


ああ、もうやめよう
歩くのを止めてみた
物音も消え去り
僕は全くの一人きりになった
何も見えないのなら
いっそ視界を僕から奪ってくれ
そうなれば僕は
羊水の中にもう一度戻るから


セントエルモの灯があれば
僕はどこにいても
航海を続けられるのに
今の僕には
後悔の二文字が
心臓深くに突き刺さる


何かしようと思って動いてみた
何も出来ないのが分かってるのに
それでも何かせずにはいられなかった
何が僕を揺り動かすのか


暗闇に一人・・・・・・・・・


自由詩 Something Copyright 寒雪 2010-03-26 06:59:01
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