呼吸をするようにひらかれていく
瀬崎 虎彦

貝の中で眠る
エナメルに身を添わせ
なめらかな肌に
潮騒を聴きながら

貝の中で歌う
孤独とは空間原理
反響して丸く閉じていく
原初細胞の相似形

世界の外では日が昇り
また太陽が燃え落ちていくのを
水底で想像してみる

わたしの形をした
硬質な住居がいま
呼吸をするようにひらかれていく


自由詩 呼吸をするようにひらかれていく Copyright 瀬崎 虎彦 2010-03-25 07:50:20
notebook Home