さよならブルース
青井とり
朝。
春のさえずりに、
青い欲望が目を覚ます。
風に誘われるまま、
ベッドから這い出して。
左足にスニーカー。
右耳にイヤホン。
3分足らずのポップ・ソングが僕を急かす。
「分かってるさ」
だって、もうおしまいなんだもの。
段ボール箱を蹴飛ばして、
扉をめくって、
外へ飛び出したら、
君の背中が見えたよ。
(ああ、行くんだね。)
切り離された世界。
途切れたポップ・ソング。
手を振ったんだ。
手を振ったんだ。
自由詩
さよならブルース
Copyright
青井とり
2010-03-25 01:33:53