ウォーターサーバー
士狼(銀)

噎せ返るような鉄錆の匂い
ぞぞぞぞと這い上がる、
正体不明の警告
止まない水音
ひたひたと忍びよるのは
影のない、


転がっていたのは物だった
しなやかな筋肉は硬直を始め
この眼はもう、
それを生物として捕捉しない

ぼくたちは
あといくつ、ブラインドを持てば
世界に適応できるのだろう

食卓に並ぶ死体の山、

ぼくは渇いている
ひび割れる前に、水を、
水を飲まなければ
蜃気楼に絡めとられてしまう
水を、
水は、


ブラインドの隙間から覗いた世界は
見たいものしか映さない、綺麗な世界で
とうの昔に水は失われていて


溜息、ひとつ。


自由詩 ウォーターサーバー Copyright 士狼(銀) 2010-03-24 19:40:31
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