悪ふざけ
中原 那由多
花園に対する興味を失ってからもうずいぶんと経つが
今更になって入場を許可された
偶然にも暇をもてあましていたということもあり
成り行きでそこへ向かうこととなった
かつて想像していた光景ほど色鮮やかなものではなかったが
所々に散りばめられたアクセントには
甘さ控えめな遊び心が込められていて
かえって緊張感を煽られた
浮わついた発想を張り巡らせていても
秒針回転運動は常に冷やかでいてくれる
些細な愛が引き金となったからこそ
ここと一体化することを企んだが
子供騙しな手品のトリック程度に満たされてしまったから
未遂でもへらへらと笑っていられた
遠くを見つめることに嫌気が差していた頃は
ひたすら乾ききった空気を吸い込んでいて
溢したジュースの酸味、あるいはそのベタつき加減
素直に受け入れられなかった
ジョーカーを押し付け合うように臆病で
騙されないように誰かを騙した
ありきたりなジョークが特別に可笑しくて
新しく器を買うことを考え直すことにしたら
甲高い声を出せるようになっていた
後ろ指を指され続けた青春時代
体育館の隙間に安らぎを求めて
小指の怪我を強がった
誰にでも雨は降り注ぐけれど
傷口に沁みる中、掴もうとしたのは
いつも高嶺の花でしかなかった