麓
ミネ
まよいあぐねてたどりついたは
もりよりふかくかくれた麓
かわやきやはたけがありのままにほうちされ
わきみちにあるふるいじぞうがぶきみにほほえんでいる麓
そこの麓びとらはみないんきにこちらをみやる
としよりもみないんきくさくわらったりする
こころがせまいのではない麓がせまいのだ
そらだけがひらけているので
やまとやまのあいだがどうしようもなくせまいので
いんきくさくひかりかげっているのだ
こみちにはおだやかなかぜがふくようであるがしかし
しずけさのます麓のみちにかぜはつめたくふきぬける
わたしのかたやこしをなぞり
においをかぎつけたいぬのようにそってとおる
わびしみのようにつきささり
かなしみのようにほねにしみる
まよいあぐねてたどりついたは
もりよりふかくかくれた麓
なぜこんなところへきてしまったのか
みしらぬだれかのうつくしいはいにでもいるような
はやく麓をぬけでたいのに
こどもらがわたしをかこみわらべうたであそぶ
むじゃきにわらいつながれたてのかこいから
うたごえだけがひらけたそらへかさなりぬける
かみしばいでみたようなあかいゆうぐれに
麓のまっかなあぜみちに