ブランコ
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満員のバスに揺られてる
ネクタイで首を締めながら
朝食も摂らず家を出てきた
キリキリ痛む胃を押さえながら
満員のバスに揺られてる
ため息で窓を曇らせながら
会社前の停留所で少しだけ
ボタンを押そうかどうか迷った
こんなに身を粉にして仕事のために尽くしても
自分の代わりなんて探せばいくらだっているんだ
錆びたブランコで揺れている
誰もいない夕暮れの公園で
近寄ってきた小さな子犬に
触ろうとしたら逃げられてしまった
錆びたブランコで揺れている
自分の居場所を見つけられずに
職場でも家庭でも必要とされていない
それなら何のために金を稼いでいる?
もしかしたらこのまま死んでしまったって
誰一人として悲しまないんじゃないかな
錆びたブランコが揺れている
寂しそうな音で鳴いている
家路へと着く背中を見送った
今日も昨日と同じように