時計の針
夏川ゆう

暇という時間に僕は襲われて時計の針が九時を知らせる

居場所ない人々の顔薄暗いシャボン玉のように彷徨う

真夜中に公園デビューする僕等昼間と違う異国の景色

午後になり雨降り出した日曜日安らぎ求め彷徨う僕は

疑えば今の幸せ薄くなる育てた愛は逆さまになる

強風が吹き荒れる夜ヒリヒリと心乾かす闇の存在

休日は車に乗って何処までも心はいつも宇宙飛行士

梅雨なのに雨を降らせること忘れ真っ直ぐ伸びる陽射しが痛い

促され婚姻届けにサインするその瞬間にざわめき消える

生き甲斐はすぐ見つかると思う時蒔いた朝顔静かに開く


短歌 時計の針 Copyright 夏川ゆう 2010-03-18 16:11:39
notebook Home