季節が変わる/ハンドクラッピング
rabbitfighter

思い出そうとして、思い出せないまま
思い出せないことを、思っている
みんなキレイで、神様みたいで、
キレイだってだけで、みんな神様みたいにきれいだ

季節が変わる/ハンドクラッピング

日時計じゃ夜は計れない
煙草に火を点けて時を刻む
ずいぶんと旅を続けてきたから、
あの世にも何人か知り合いが出来た

季節が変わる/ハンドクラッピング

僕が死ぬと、僕の思い出も死んでしまうんだろうか
どうして死んでしまうんだろう
僕の思い出の中で
暮らす人たち

季節が変わる/ハンドクラッピング

暗闇の中で沢山の爆発が起こり
明かりを消して毛布を被ると
遠い空のずっとむこうに
幾千もの星が散らばった

信じないかもしれないけど
君は信じないかもしれないけど
何もかも偶然の連なりで
僕たちは光速で移動しているから
一瞬の中の永遠を生きている

季節が変わる/ハンドクラッピング

僕たちは毎日満ち欠けを繰り返す
昇っては沈む
寄せては返す
季節が変わる
君の肌が潤いをまして
僕は君に裸でいて欲しいと懇願する
ある夜のことだ
肌と肌を重ねて、君をまた取り戻そうとする
それから僕たちは未来を語ろう
まるで思い出を語るように、未来を語ろう
週末の予定、冬のすごし方、君の誕生日、桜の咲くころのこと、夏の花火
みんな光速で移動していて、風に髪がなびいている
美しいというだけで、
みんな神様みたいに美しい
立ち上がって、体中がどくどくと脈打って、どうすればいいのかわからないから
ハンドクラッピング
ただ賞賛を
君はキレイで、
とても美しい、
ただ賞賛を
神様みたいだ
みんな美しい


自由詩 季節が変わる/ハンドクラッピング Copyright rabbitfighter 2010-03-18 01:06:42
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