外の光
木立 悟
雨が呼ぶ窓
水の白と黒
声は遠く
夜に架かる
はざま径 音
敷石 外灯
暗がりの上
鳴りつづく光
曇の溶ける先
波の終わり
忘れかけたつながり
午後の並ぶ夢
原に立つ音
粒のなかの音
すぎるものは水
請われつづけて
明るい洞の前
浮かぶ幼い樹
街と岩と原と海
切り離せぬまま夢みられている
静かな文字が降る
菓子の冷たさ
角を曲がると居ない
歌を抱いたままの影
外から
なぞりつづけている
窓のかたちを
教えようとしている
雨にまぎれた
わだかまりの真うしろ
指に重なる
光の指を描いてゆく