琴線
山岸美香

無数の声が、言葉が
手のひらが、指先が
情報のかたまりになって
突き抜ける風のように押し寄せる。
いつも。
その中で、握りたいもの
握ることが許されるもの
もっとも、線の細い私は
一人が好きで
よく飽きてしまうのだけれど
やはりどこかに
あなたを置いておきたい

揺れない琴線は
音を奏でない琴線は
ひどく無意味だ。


自由詩 琴線 Copyright 山岸美香 2010-03-15 00:53:07
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