ふつう
かんな

夜に眠れない日の
朝の陽射しに含まれている
ほんの少しの水蒸気を吸って
生きてみたいと
これは憧れのように抱いていて

つけっぱなしの蛍光灯
そんな時ほど
リモコンの在り処には地図がある
幼い頃の思い出をさがす
そんな時と同じように

光はいつも笑顔だと
ちいさなわたしは思っていた
曇りの日もあの雲の向こうで笑っていると
でもあの雲が光の涙を含んだとき
わたしに向かって雨が降る

ふつうに触れる
わたしは日常にきっとそうやって
朝から晩まで触れている
時折り汗ばみ
時折りふるえて

そして時折り
ほそい日常という糸をたぐり寄せて
明日という束をつくり出す



自由詩 ふつう Copyright かんな 2010-03-12 19:50:01
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