門 / ****'99
小野 一縷
手段を選んでいる暇は無い
明らかに 寿命は明滅している
秘められた 針の先端より細い穴
門
その一点に辿り着くどころか
それすら模索している状態
しかし
その在り処はともかく
ぼくは勘付いている
点の先に
全ての基準が溶け合う無限が
広がり続けていることを
体どころか 自我を残したまま
その点を通過することは不可能
だが
ただの行方なのです
ぼくという現象の行方なのです
ぼくという火の行方なのです
行方という業なのです
願わくば 車輪が止まる時
点の向こうに この魂が在ることを
いや 魂すら通過不能だろう
探す
言葉で点を探す
回す
車輪を詩で回す
行方自体は 辿る道を選べない
行方自体は 着く先を選べない
炎は自らを現象だと悟れない
現象を固定する この車輪は止まらない
gate gate para-gate para-sajgate bodhih svaha.