はる
nonya


空が
穏やかに弛んだ


おしゃべりなプリムラの
寄せ植えの鉢に
束の間の雨を降らせながら
君は眩しそうに微笑んだ
「は」のつく名前を持った
風の中で


時が
朗らかに伸びをした


無口な黄楊の木の
淡い影となってまどろむ
黒い野良猫を眺めながら
僕はくすぐったそうに微笑んだ
「る」のつく名前を持った
光の中で



自由詩 はる Copyright nonya 2010-03-11 20:31:39
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