【A】 幸せにしてくれてありがとう 【B】
ヨルノテガム










   花

 匂う(少女の)
 匂う(少年の)
 街にはアナタたちが息づいてイル
 人は時々に氷のように
 輝き消え、溶け、反射し、再結晶し
 揺れ、叫んだりするかもシレナイ


   音楽

 石像(女の)(ボイン)
 石像(男の)(無口さ)
 休憩を宇宙に与えよう
 美しいものばかり互いに
 からみあってコスレあって 
 手を繋ぎ 並列し角度を変える
 息を止め合った世界
 世界の造形の中で 一生涯、隠れては出現する

 アナタの柔らかい肌の下
 骨格の硬さに抱かれたい、音楽がする
 これは地球の気配だ


   眠り

 再び  (くり返し)
 リピート(再びの眠り)
 寝相の悪さがアナタらしい、アナタらしい夢が
 そこに転がっているようだ
 目から一滴、夢がニジンだ
 顔が楕円形に
 腕は成長を止めない枝葉に
 髪は炎
 声は雷鳴
 胴体は疫病まみれの増殖増大、毒の黄昏、
 目玉はダイヤとルビーで色違いも愛嬌よ
 
 うんと笑って
 うんと裂ける
 内臓が裏返り 皮膚は収縮、
 人間の中に人間を動かす小さな操縦者が
 手を振っている サヨナラ

 サヨナラ幾つもの死滅、幾つもの眠り、が
 書き加えられていく 何度も何度も
 リピートにリピートを重ね尽くす重ね尽くす


   漂流

 違うもの 【Aへ】
 違うもの 【Bへ】

 溝、天の川、簡単にもう交わることのできない距離へ
 異物へ、異界へ、段階を計る術はもう無いワ

 溝、天の川、すれ違っていく私を 私は感じ見たワ、
 銀河×2、足の付け根の枝分かれする性器
 部位をつよく強く
 ネジしたい (ネジされたい)
 ボルトしたい(ボルトされたい)
 それくらいまだ地脈を懐かしんでみたい、全て
 嘘なのかもしれない

 溝、天の川、

 最も別れゆきたい

 最も無茶を通したい

 結果が全く全てではない
 限りが無いことを感じている
 どうしようもなく
 限りが無い
 変容することに感謝することがあるかもしれない
 この強弱高低は
 漂うに足る
















自由詩 【A】 幸せにしてくれてありがとう 【B】 Copyright ヨルノテガム 2010-03-10 22:32:44
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