雪ん子
……とある蛙

雪ん子 一人 顔 見せた
ピンクのネンネコ羽織ってる
ほっぺの赤い雪ん子一人
外は吹雪で氷点下
何を目当てで顔見せた。

雪ん子 一人 顔 見せた
おまえの目と目は細すぎて
どこを見てるか分からない
外は吹雪で誰もいない
何を見つめる雪ん子よ

雪ん子 一人 顔 見せた
東京までの上の空
おまえと一緒に搭乗か
外は高度五〇〇〇メートル
鳥一羽も飛んでいない
雪は遙か下界に降っている。
雪ん子 それで困りはて

雪ん子 一人 顔 見せた
おまえはほんとは雪だるま
それともほんとは雪女
もうあきらめるしかないのだよ
僕の心は凍えない
おまえが居ても凍えない

雪ん子 一人 顔 見せた。
きれいな雪の結晶を
口からたくさん吹き出して
一緒に東京に帰ったら
そのまま溶けて無くなった
でもそのまま僕は風邪ひいた

三七度七分だよ。


自由詩 雪ん子 Copyright ……とある蛙 2010-03-09 22:12:53
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