食われる
りこ


機械だと
称された私たちはいずれ
負け犬は御免

唱えるようになります
急ぎ足で
その役目を果たせば
あなたの枠に納まり
あなたの形を名乗ります

酸化したあなたの言葉は
黄色く廃れて
何度指でなぞってみても
あの日のようには色付いてくれない

それでも
おい

呼ばれれば
わん

返事をして
飯を作ります風呂を沸かします靴を磨きます服を洗います
お手だってお巡りだって
何だって出来ます


私はあなたの一部にすらなれないと
知っていながらも注ぎ入れます
あなたの茶碗にありったけ

食われているのはどちらの方か


自由詩 食われる Copyright りこ 2010-03-09 15:25:14
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