重なった力の上を連続してゆく
瑠王
その日、誰かの足の裏を見つけた
それは画家の自画像のように剥き出しで
裸足であることがこんなにも美しいという衝動
初めて僕の中に生まれたのかもしれない
それは、離れない
空気が重なった力の上を連続してゆく
君はまるで白のようなひと
不安な胸骨を和らげてくれる
そんな独りぼっちの白
だから、離れない
骨を掴んだ手が弛んでしまう時
無力な僕は頭蓋の窓をあけて
その小さな部屋を少し留守にする
獣のような舞踏を
誰にも見られないように
それは、離さない
時の口は全てを食べつくさないよう配慮している
導火線を燃やす旅は火をもって始まり
火をもって終わる
もっとも、果ての報酬など手にとることはない
薔薇の衣を纏って眠るさなぎ達の群れ
そこを、離れない
血液が重なった力の上を連続してゆく
こんなにもはっきりした今日の何を見ている
忘却と未来への何を嘆く
唖黙って眠るひつじ達の群れ
誰も、話さない