重なった力の上を連続してゆく
瑠王

その日、誰かの足の裏を見つけた
それは画家の自画像のように剥き出しで
裸足であることがこんなにも美しいという衝動
初めて僕の中に生まれたのかもしれない
それは、離れない

空気が重なった力の上を連続してゆく
君はまるで白のようなひと
不安な胸骨を和らげてくれる
そんな独りぼっちの白
だから、離れない

骨を掴んだ手が弛んでしまう時
無力な僕は頭蓋の窓をあけて
その小さな部屋を少し留守にする
獣のような舞踏を
誰にも見られないように
それは、離さない

時の口は全てを食べつくさないよう配慮している
導火線を燃やす旅は火をもって始まり
火をもって終わる
もっとも、果ての報酬など手にとることはない
薔薇の衣を纏って眠るさなぎ達の群れ
そこを、離れない

血液が重なった力の上を連続してゆく
こんなにもはっきりした今日の何を見ている
忘却と未来への何を嘆く
唖黙って眠るひつじ達の群れ
誰も、話さない


自由詩 重なった力の上を連続してゆく Copyright 瑠王 2010-03-05 13:15:58
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