うっとりする
佐藤真夏

明け方
白い目で
青空の夢を見ている

夕日が沈む頃は
終わりの見えない草むらに
黄色いブロックを置いて
隙間なく並べていく
毎日ひとつずつ
繰り返しては
あっちの砂漠で焼かれないように
確認する
日々の重みには
君の指先の匂いが混じっている

1日が終わる前に
背けた目を戻して見るべきは
たたかう君の
きつくなった口元や
燃える目です
君の鋭くなった遠吠えが
耳を囲んで
皮膚がおびえる夜は
氷になった君と
灼熱の砂漠に駆けてもいい

毎日
君の手に触れて
石になる夢を見ている


自由詩 うっとりする Copyright 佐藤真夏 2010-03-05 01:10:23
notebook Home