拒絶
テルテル坊主
懐かしく感じることができる瞬間
とても「帰る」がふさわしくない帰宅
雨の匂いに鼻をくすぐられ
遠くからやってきたビル風に目をくすぐられ
何枚ものフィルターの向こうの夕焼け
決まった凹みのコンクリート
そわそわしていた
「懐かしい」がふさわしくない帰宅
街が、部屋が、風が、拒絶しているように感じた
哀れにも
拒絶していたのは「僕」のほうだった
自由詩
拒絶
Copyright
テルテル坊主
2010-03-04 03:21:06