『骨を喰らう』
あおい満月
肉に噛みつく
糸になり分裂する筋肉
絡め取る舌が捲るあからさまの白い現
尚も残る塩味の皮脂が依存症を掻き立てる
進め、進め、白い刃
開く、開く、咽喉のブラックホール
カチンと何かにぶつかる
骨、骨、黒い骨を巻く白い皮膜
カリカリと音を立て行く手を阻む
骨をかじる
肝臓の欠片が溢れ出す
骨をかじる
骨の中の骨を吸う
骨を開く
骨を流れる血潮を掻き出す
最後にしゃぶる
顛末を終える
星屑のかたい欠片が舌の上で踊る
泥を振り落とすように
わたしはそれを吐き捨てる
手も振らずに
骨は
いつも喰らい切れない