食卓で泣いた日
瑠王

今日の夕食は、牛のステーキだった
レアにしろ、ミディアムにしろ
それはもう食べ物にしか見えなかった
それはほんの少し、葡萄畑の匂いがした
僕達は一瞬だけ、目一杯の緑
風を感じてしまったのだ

君は動揺してナイフを落とした
君が落としたナイフが空を切り裂いた
僕が拾おうとすると
君は゛いいの゛と言って泣き崩れた

僕は動揺してフォークを落とした
僕が落としたフォークが大地に突き刺さる
そして一緒に食卓で泣いた

葡萄畑の匂いで、溢れていた


自由詩 食卓で泣いた日 Copyright 瑠王 2010-03-02 22:43:32
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