『喧噪の連鎖』
あおい満月
喧噪の夢がわたしを包む
喧噪は連鎖になりわたしをぐるぐる取り囲む
もはや出口はない
頭に白い注射器を射し込み連鎖を中和させる
軈て霧が訪れ眠りへと誘う
太陽が瞼を撫で
眠りから醒めても
喧噪は見えない場所で確実に廻り続ける
いくつもの青い足跡がそれだ
喧噪は山手線になり巡っては去り巡っては去っていく
終わりはない
植物のように上へ上へ伸びていき
わたしはジャックになってただ登っていく
詩とは
その全過程を公表する手段
だから満足はしない
今夜も
喧噪がわたしを待つ
わたしは鏡を見直し
前髪の白髪を指ではねる