クレソンは今日も日を浴びる
瀬崎 虎彦
きみはクレソンが苦手
愛は水道の蛇口からとめどなく溢れ
光はひらひらとソファの上に舞う
ぼくはもうなにも目にすることがなく
きみだけが世界の同義語として君臨する
せかいが死ぬことをぼくは理解していない
ヴェランダでクレソンは育ち続け
ぼくはそれをほったらかしている
世界は死にクレソンは今日も日を浴びる
自由詩
クレソンは今日も日を浴びる
Copyright
瀬崎 虎彦
2010-03-02 01:49:59