塔守の夢
服部 剛

世界を見渡す望楼で、彼は何を夢見るか? 
広がる砂漠に現れる蜃気楼の都市で、夢の 
無い、のっぺらぼうの人々の葬列はやがて 
世界の淵の谷底へ、滑り落ちてゆく。   

( 世界は今、まな板の上 ) 

望楼から眺める夜空に幾千もの星の降る晩 
彼は、不思議な夢を見る。都市に並んでゆ
く人々の列・・それぞれの胸にそれぞれの 
花を咲かせる植木鉢を、大事に抱えて往く
夢を。 





自由詩 塔守の夢 Copyright 服部 剛 2010-03-02 00:15:42
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