私に住まうエレファント
窓枠
現実世界にこそ悪夢がある
わたしたちは同列を見比べれば
無秩序な鉄槌を下しているのだ
(ジョゼフ・メリックの泣き声を耳にしたか?)
コンマ数秒という早さで鉄の雨が降りだす
今日は 明日は
誰が胸を貫かれねばならないのか
あなたはどうして幸せだと言えるのか
疑問符を並べて
腐っていくのは脳ではなく
感情なのかもしれない
(彼の生涯に何かを見ることができたか?)
世界が滅びればよい
と 願う人々を握りつぶした
わたしたちは偽善者に成りうる存在
バイブルにしがみついて
自意識過剰になったとしても
危ない橋だけは避けて渡る
認められないことは次第に無視され
忘れるんだって置き去っていく
まぶしい明日にこそ未来が見えるなんて
その人にしか見えてはいないのに
(彼はエレファント・マンと呼ばれていた)
自堕落な骨なしたちが笑ってるぞ
顔も見えない文字だけを囲い
根も葉もないごたくを言い合っては
真実にもネタにも扱っているんだ
フリークスが誰にでもひそむ神なら
男も女も死人も動物も
世界は神様で溢れかえっているんだろうか
(彼は仰向けで眠りについて、そして亡くなった)
分からないことは分からない
知らないことの多い景色でも
知らん振りはしてられないよ
変革をもたらす恐れを
怖いと逃げてしまえば
泥まみれになってしまうんだ
(私はそんな彼のことが好きなのかもしれない)
好きで生まれたかどうか
そんなこと
よりも
何かひとつでも好きになって
わたしは死んでいきたいね