春の迷宮
吉岡ペペロ
女の肉が男に汚されていた
肉の汚れを女が悦ぶたび
女のたましいはより美しさを増した
肉が涙をながす
涙の尖りがひかる
男は女の苦悶を見つめた
このカラクリは迷宮だ
いま自分以外
女を汚す存在はなかった
だから
女のたましいは美しいままなのだ
肉の悦びで女が爆ぜた
自由詩
春の迷宮
Copyright
吉岡ペペロ
2010-02-28 09:43:38