So,
Oz

手で君の顔を包んで
暖かい息遣いを感じたら
記憶の糸を辿って
僕は井戸の底へ
足を抱え込んで
行き交う幻覚をやり過ごし
消え去る風景の中から
ただ一つの宝石を掴み取る

いつまでもここにいるわけじゃないから
いつまでもここにいていいわけじゃないから
束の間の休息
ただそれだけ

息が鈍く湿る
何かの鳴き声が聞こえる
もう行かなくちゃ
大丈夫
手に感触が残っているから
お金も地位も何も無いけれど
それだけで
何もかもが信じられる
この世をいとおしいとさえ思う

でも、
きっとまた来てしまうよ
許してね

ありがとう


自由詩 So, Copyright Oz 2010-02-26 14:43:49
notebook Home