空をあつめて
千波 一也



空をあつめて
泣いてみたいとおもいます

たったひとりで
その
重みに
耐えかねて
幸と不幸の中間あたりを
泣いてみたいと
おもいます


海は
寡黙です

わたしの向こう側で
わたしの奥底を知り尽くし
海は
寡黙です

おかげでわたしは
おしゃべりに
なりました


飛ぶ鳥は
飛ぶ、という言葉を
知っているのでしょうか

答は
空をあつめることで
わかるのでしょう



かもめが
嘘をたべています
そうしてまたひとつ
ほんとのことが
温もります

わたしもきっと
それと同じです
あるいは
真逆と
たとえましょうか


空をあつめて
逃げ去りたいとおもいます

わたしの知らない
わたしのために







自由詩 空をあつめて Copyright 千波 一也 2010-02-25 11:10:07
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