夜の散歩
朧月

窓に手の平押し付けて
冷たいですねと笑いました
うすい うすい 笑いでした
唇の色も失くすようでした

窓あけて 二度振り返る
あなたがいるように期待して
夜風は ふわりと舞っています
ええ 冬は過ぎそうです

ふと思いついて歩いています
自販機で飲み物でも買おうかと
冷蔵庫にもあるはずなのだけれど
新しいものがほしくなりました

すれちがう夜の音は
ほおう ほおうと 誘うようでした

こんな夜の散歩には
思い出がいいようですが
私には 懐かしむ時間はないようです

明日のスケジュールはかなりハードなのですが
あなたのことを考えるときまで組み込まれていそうです

こんな夜の散歩には
明るめの話題がいいですね
はいてきたくつの色は明るいはずなのに
すっかり夜の気配に負けてしまっています



自由詩 夜の散歩 Copyright 朧月 2010-02-24 23:48:43
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