ばらばら
猫のひたい撫でるたま子

楽園の果て
かろうじて
軽んじて
隙間風
憂き目
払拭

止めていた煙草を吸えるようになった。

磨り硝子の窓から景色は見えない。

ゆっくりと、歩くひとが大勢ゆっくりと歩いている。

ひとりひとつの白いカーテン

ひとりごと


退院した。


夜の階段を上る

七階までくると小さな東京タワーが見えてくる


夜のひとり歩きをする

コンビニがやたらと明るい


夜に見るユメの中の人が両手で耳を塞ぐ、叫ぶ

「聞きたくない!」

蔑みの目でよく目を見つめて

食事を与えてくれる

おいしいと褒める
すこし笑った女の人

関係
消滅
刹那

いなくなった

わるいのは
割る意味は
知らないわって

「愛が動機なら やってはいけないことなんて 何ひとつ、ない」

スイートリトルライズ

見たら
終われ


昔に失った時間は快速電車で行ってしまったね。

優しさの音

繰り返し読み返す自分だけの記憶

そこが現実な、そこから現在を思う

ゆっくりと
ゆっくりと
ゆっくりと

歩きなさい、と

まともに生物から人間になって

まだまっすぐには歩けない

まっすぐに歩いてゆく、それには頭の成分が体の知性が


行きたい場所は記憶以外のどのくらい遠く

久しぶりのラム酒を夕暮れに飲んで

朝なったら涙こぼれてる

まくらしみる


染み込んだ架空のユメ


もし、独りぼっちで死ぬときに

誰かに書き残すなにかをさがしてる




自由詩 ばらばら Copyright 猫のひたい撫でるたま子 2010-02-22 01:57:40
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