夜明け
服部 剛

虚ろな瞳をした、縫い包みの少女。力無
く、窓辺に凭れて。部屋のドアを開いて
入って来た少年は両手にかかえ、胸の蓋
を開いた暗闇の燭台に、マッチの灯をと
もしてそっと、窓辺に戻す。

窓外に広がる、夜明けの海。  
水平線に昇る、あたらしい太陽。 
縫い包みの少女の瞳から
丸い頬を伝う、ひかりの滴。 





自由詩 夜明け Copyright 服部 剛 2010-02-20 22:45:06
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