『狩り』
東雲 李葉

剣を置いて話をしよう。
お前は私に敵意を剥き出し過ぎる。
今まで足蹴にしてきた奴等とは確かに違うが、
一つだけ共通点。素晴らしき「人間」であること。
赤い呑み物がお好みかMr.
幾らでもくれてやるが代償は高いぜ。
どれ程富を築いても退屈は音も無く忍び寄るのさ。
一つだけ御忠告。お前に「永遠」など訪れない。
囲った時刻をどれだけ永く感じていても、
所詮は一夜の遊戯に過ぎない。
だから泣き喚きながら私を奪いに来るのは止めろ。
向かい合う前からすでにお前は死んでいたのさ。


指を解いて話をしよう。
お前は私の生死に拘り過ぎる。
弔いなら後でまとめてしてやればいい。
一つだけ条件。お前か私かどちらかが「死ぬ」こと。
顔色がすぐれないなMr.
手放す怖さを感じ始めたか。
どれ程の地位に上り詰めても終演はやがてやって来る。
一つだけ御朗報。私にも「永遠」は訪れない。
囲った時刻をどれだけ高く重ねていっても、
所詮は砂上に建てた楼閣。
だから安心して私に征服されるが善い。
向かい合う前からすでに私はお前を仕留めていたのさ。


自由詩 『狩り』 Copyright 東雲 李葉 2010-02-19 20:39:59
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