見てみて
佐藤真夏

目が腫れるまで
言葉をつぎはぎして
しんぞうとのうみそを
縫い合わせておきたかった
調和と統合と平和の
マルの中で
哲学から解放されたかった

天地がひっくり返って、
宇宙人が攻めてきて、
実は地球が火星だとしても、
きみが好きです、と
紙に書いたあなたは
再び哲学の池に落ちて
あいを探し始めた

夢の中で
隣に居た細身の男が
地面に倒れて爆発したのは
争いの予兆で
火花を見ながら立ちつくしていた
わたしの無意識は
現実を燃やそうとしている

わたしが言葉をつきばぎして
声を震わせるとき
本棚で理解を探すあなたは
私の水晶体の中
角膜の上を這う
あいしてみせての幼虫が
あなたの黒目を見ているのに気付かない


自由詩 見てみて Copyright 佐藤真夏 2010-02-18 15:25:35
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