見てみて
佐藤真夏
目が腫れるまで
言葉をつぎはぎして
しんぞうとのうみそを
縫い合わせておきたかった
調和と統合と平和の
マルの中で
哲学から解放されたかった
天地がひっくり返って、
宇宙人が攻めてきて、
実は地球が火星だとしても、
きみが好きです、と
紙に書いたあなたは
再び哲学の池に落ちて
あいを探し始めた
夢の中で
隣に居た細身の男が
地面に倒れて爆発したのは
争いの予兆で
火花を見ながら立ちつくしていた
わたしの無意識は
現実を燃やそうとしている
わたしが言葉をつきばぎして
声を震わせるとき
本棚で理解を探すあなたは
私の水晶体の中
角膜の上を這う
あいしてみせての幼虫が
あなたの黒目を見ているのに気付かない