私が全てじゃないけれど
くろきた
「くろきたバカだからキライ」
「くろきたに友達いんの?」
「いるわけないじゃんかー」
「くろきた受験するの?」
「いくつ受けるの?5校?」
「ちょっと合格鉛筆かしてよ」
カツーン、カツーン、カツーン、カツーン、カツーン
「はいくろきた全落ちー」
先生、
「あなたが受かるわけないでしょう」
「塾でも良い点取れてないのに」
「え?くろきた受かったの」
「お情けだって。お情け」
「くろきたが可哀相だから」
先生、
「あの子の方が良い子ですよ」
「みんな言ってますよ。くろきたさんが怖いって」
「死ね」
「死ね」
「ストーカー」
「私たち、友達だもんねー!」
6年生の頃
誰も私を助けちゃくれなかった
だから私は走った
「死にたい」なんて、考えなかった
考える隙がないくらい走った
たとえベランダから落とされそうになっても
それを見た先生が笑っていても
走って走って、
やっと抜け出した
私は今、幸せです