風の行方
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私は立ち止まらない
この道を行くと決めた
匂いの蒸せる深森の内を
怪しげなけものみちであっても
感じるままに行方を選ぶ
暗がりを畏れて
夜は月を探す
闇の海原は私を奪ってゆく
私は闇の中で
小さな湾の凪となる
草露に写る歪んだ顔を見れば
道半ばであれども
間違ったかもしれないと
日が翳る
紡いできたノートの隅に
書き記しておいた日付が
いつのまにか途絶えている
それでも道は続く
風は立ち止まらない
自由詩
風の行方
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2010-02-17 05:15:04
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