月の待ちびと
吉岡ペペロ



そとは雨降り

東京での一日目の仕事が終わった

家賃の高そうな高層ビルの一階で

友人の迎えをぽつねんと待っている


6時にもなっていないのに

新大阪駅は会社員でごったがえしていた

ひとごみの匂いはなかった

まだだれも

日中の塵芥をまとっていなかった


朝まだきの新幹線は

なんだか静かな夕方を走るようだった

月にはたしか

静かの海というポイントがあったように思う

塵芥をまとった人間のいない

匂いの

いない月にも

やがて人は働きにゆくのだろうか

それを月は

待ってくれているのだろうか


そとは雨降り

東京での一日目の仕事が終わった

家賃の高そうな高層ビルの一階で

友人の迎えをぽつねんと待っている


携帯写真+詩 月の待ちびと Copyright 吉岡ペペロ 2010-02-15 19:14:02
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