空の溜る坂
えりくさちえい
ぜんぽうのとおいさか
口を動かす ぜんぽうのとおいさかをみつめながら 何か言おうとしてこすれ合う
くちびるをさわる 遠い風が ふたつのゆびが 互いにこすれ合う
わたしはさかのちゅうふくにたって 遠い坂の窪みを見つめながら
おわらせることができずにいる 遠い風が吹いて くぼみをみつめながら 私は遠さを とおいさかのとおさを 遠さに喩える
ながしそうめんの 巨大な装置 かなだらいと
坂 そこにはきょだいなながしそうめんのそうちがよこたわっている あまりに遠く それは
坂の中腹に私は立っていて ずっと 終わらせることができずに
見つめた空が ながれはじめていた 流れ終わっていった
そらのたまるさかに