地球外詩的生命体探査計画
海里
目には
まぶたがあって閉じることもできるのに
耳にはないね
目はよほど
脳にとっては過負荷で高価なセンサーなのだろうけど
耳だってとじられればいいのにね
ケータイや
ウェブの海では目でSETIをする
日ごと夜ごとにネットサーフィン
ミクシィや
アバターやツイッター
とんとんとん
つーつーつー
とんとんとん
つーつーつー
誰かいますかとノックする音
誰がいますかと
とんとんとん
CQCQ・・・
回線は
何度もつながりかけては
ツーツーツー
ふっつりととぎれて
SOSのような繰り返しの中で
きみは/だれも/わたしも
実は別にだれの/何の救助隊だというわけでもなく
助からなければならなかったはずのひとたち
こどもたち
何人も
何億人もいたのに
ただ
SETIしてるだけ
もしいるのなら
宇宙人に会ってみたくて
パラボラを空に向けるまでもなく
隣人だってじゅうぶん異星人だけれど
知的であろうと
非知的であろうと地球のどこかに
今までに
詩的生命体がやって来ていたことはありませんか
言葉たちのファン・デル・ワールス力
詩を駆る種族は