地球外詩的生命体探査計画
海里

目には
まぶたがあって閉じることもできるのに
耳にはないね

目はよほど
脳にとっては過負荷で高価なセンサーなのだろうけど
耳だってとじられればいいのにね

ケータイや
ウェブの海では目でSETIをする

日ごと夜ごとにネットサーフィン
ミクシィや
アバターやツイッター

とんとんとん
つーつーつー
とんとんとん
つーつーつー

誰かいますかとノックする音
誰がいますかと
とんとんとん
CQCQ・・・

回線は
何度もつながりかけては
ツーツーツー
ふっつりととぎれて

SOSのような繰り返しの中で
きみは/だれも/わたしも
実は別にだれの/何の救助隊だというわけでもなく

助からなければならなかったはずのひとたち
こどもたち
何人も
何億人もいたのに

ただ
SETIしてるだけ
もしいるのなら
宇宙人に会ってみたくて

パラボラを空に向けるまでもなく
隣人だってじゅうぶん異星人だけれど

知的であろうと
非知的であろうと地球のどこかに
今までに
詩的生命体がやって来ていたことはありませんか

言葉たちのファン・デル・ワールス力
うたを駆る種族は


自由詩 地球外詩的生命体探査計画 Copyright 海里 2010-02-13 18:09:09
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