スコール
やや
風の強い日だった
乾いた砂混じりの風がざらざら吹いてる
カーテンがバサバサと悶える夕暮れ
とさっと夢から落とされる
冷たく黙り込んだ壁に
CDの歌声は無機質に響き
部屋がオレンジに染まっていく
喧騒は少しずつ遠ざかり
私は君の声だけを聞きたがる
私には捧げる言葉がない
ぽつり、ポツリ考える
君のためになる言葉なんてない
ふわふわ と降っては
すとすと と積る雪
みたいな事が言いたいけど
いつだってそれは
ボタボタ と落ちる雨
に似ている
君はいつだって雨の日に頭痛を抱えてる
汗ばんだ首を拭って
真夏の太陽のように気ままに
アチコチを照らしてしまえればいいと思った
それほど強い光があれば
君の闇だって更に色濃くできる
原色が足りない
ガラス越しの色しか知らない
白も黒も混じってただのグレイになってる
血は何度流しても淡い朱色で
言葉もいつだって何かにつけて包まれている
私には掲げる言葉がない
ぼとり、ボトリ零す
君のためにある言葉だけがここにはある
ひゅんひゅん と飛んでは
しとしと と君を濡らす
私は君に傘をあげよう