生きるのも死ぬのもこわい
森未
生きること
死ぬこと
どっちもおなじくらい
こわいことよね
耳を澄ましたら
遠くの声が聞こえたわ
こちらはすこし寒いですって
その冷たい空気がほしいの
それでもそちらへはいけないの
なぜかって
こわいからよ
こわいからよ
こわいからよ!
ふみだしたさきの暗闇わたしをよぶ声
冷たい指先もどらないじかん
生まれた罪と生きる罰
死ぬことのやさしさを
お前らは知らない
それでも生きろとさけぶのは
意味があるのか
意味があるのか
意味なんかないくせに
もったいぶらずに背中を押せよ
わたしはいつまでもまってるのよ
無菌室みたいな世界にわたしはふひつよう
よごれたこころはけしさって
きれいさっぱりおわかれしよう
うそばっかり
わたしはいつもうそばっかり
背中なんておさないで
そう
ただ意味もなく生きられたらいい
意味なんかもうなにもなければいい
ただ生きられたらいい
くるしいこころ、きらいよ
でも、
殺してしまわないで
生きること
死ぬこと
どちらもとても、こわいの