症候
葛葉もなか


積み重ねられた嘘と 曖昧に交わされた約束が

ワタシの内で交差する

空世辞 空言 空想 空虚 


なのに

その眼差しを記憶しているこの瞳が

その言葉を記憶しているこの耳が

その熱を記憶しているこの身体が

ザワザワ揺らぎ始めるのだ 

熱してもない冷えてもない 生ぬるい時間の中で

ザワザワとうごめくのだ


傷口は渇くことなく 塞がれることなく

パクリと大きな口を広げて

ワタシが墜ちるのを待っている

そうしてまた

生臭い膿の中へワタシを引きずり込んでいくんだ





自由詩 症候 Copyright 葛葉もなか 2010-02-08 23:29:03
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