奈落の底
舞狐

ここはどこなのか

じめじめとした空気が
身体にまとわりつき
呼吸さえも自由にできない

暗く
深く
冷たい場所


動かずうずくまってしまうと
この暗く深く冷たい場所に同化しそうだ


自らの身体から発する
かすかな希望という明かりを使っても
闇に吸い取られ
何も見えない


はい上がろうとか
この場から移動したいと言うよりも


ここはこんな場所なんだと理解するのに時間がかかる

もしかしたら
はい上がる力は
もうないのかもしれない




自由詩 奈落の底 Copyright 舞狐 2010-02-08 17:48:06
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