彼ら
やや
それにセピア色を真似た懐かしさが付きまとうのは
彼らの体内をひたすらに過去ばかりが巡っているからだ
未来など入り込む隙もない
彼らは、悲しいことを共有出来ない
悲しみの痛くない場所を知らないので
安全に渡せずに必ずどこかを傷付けるのだ
力がない、と簡単に言うことは出来る
けれどもそうやって免罪符を掲げることが
どうしても出来ない
眠るときは当たり前に手を繋いで
明日のことを考えず眠った
悲しみを分け合うことが出来ないので
一人の時間は必ずもった
「脆い」
笑えてしまう結論は
色鮮やかに自己主張する
抱きつくことが出来ても
寄りかかることは困難だった
力加減を知らないのだ
本当は全てから思い切って飛び出したいけど
地から足を離すことに抵抗がある
それはまるで、
まるで幼い兄弟のように
無知で、無頓着で
あまりにも無抵抗で