真夜中の雪
仁惰国堕絵師
雪だ、雪が降っている
真夜中に降り続く しんしん降りてくる
雪降る夜はワクワクする
台風の朝のように心が躍る
そして今日とは違う明日の景色を待つ
窓に張り付く淡白い結晶を眺めながら
窓に映る淡白い景色を眺めながら
今日とは違う明日の景色を待つ
きっと一夜にして世界を一変させるにちがいない
人と景色と淀んだ空気は変わってしまうにちがいない
ぬかるみの中に映る青空が
まだ何も変わっていないことを思い知らせる、それまでは
雪は降り いつかは止み
変わった世界が戻ってゆく
過ごしやすく穏やかな日和はすぐ目の前に
雪よ、真夜中の雪よ
いつかは溶けて無くなる雪よ
別の世界に変わったと勘違いさせたまま
できうるかぎりの長い間
そのまんまでおいてくれ
本当は何もわからないまま
ゆっくりかわっていくのでしょう?
本当はなにもかも
ちゃんとわかっているのだから