この世のはじまり
朧月

片手ナベに
この世の終わりみたいな白い牛乳いれて
つきっきりで温める
ナベの内側にふくふくと泡が立つ頃
みじかい瞬間の想いを終了させる
いれたココアのせいで
白は濃く染まる
自分のためだけにいれる朝のココアに
特別をもたせるのは
そうでもしないと
ほんとうにこの世が終りそうだから
私のこの世は
はふはふと喉へ送る
大事なこの世の終わり色の牛乳と
はじまりのココア色の混ざり具合で始まる



自由詩 この世のはじまり Copyright 朧月 2010-02-04 08:42:10
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