冬の仏桑華(ハイビスカス)
合歓木
立春に咲いた室内のハイビスカスを
一日限りの花と知れば
賞賛が足りなかったようだ
どう慰めたらよかったのか
写真にも撮らずに
亜熱帯のハイビスカスが
真冬に咲く変動としても
その常緑広葉樹のいのちを
誰もとどめることはできない
一日花は 朝一気にはじけて
艶を張りつめ 紅色を誇り
夕べには やつれ果て しぼみ
次の朝には もう落ちている
こんな開花を
人にあてはめてはなるまい
すべて燃え尽きる
いのちの必然は痛ましく
花はただ現象してその日完結する
自由詩
冬の仏桑華(ハイビスカス)
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合歓木
2010-02-02 22:10:58
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