魔法
クローバー
1
手の内に隠した、種を、気づかないふりしていてあげる
それが花になって、誰かを笑顔にするなら。
2
膨らんでいる、と君が言ったから
目を凝らして、枝を見た
そうではない、と気づくまでは、もうしばらく。
3
誕生日になると、父さんはいつも
手の中から、花を出してくれる。
そして、こう言う。
これはおまえそのもの。
何故かは分からないけれど、私は毎年笑ってしまう。
自由詩
魔法
Copyright
クローバー
2010-02-01 21:43:27